第18作 いのちの星のドーリィ
公開日:2006年7月15日
上映時間:50分
同時上映:コキンちゃんとあおいなみだ
あらすじ:命を与えられた人形の心の成長物語
ポイント
・“何のために生まれて、何のために生きるのか”に関してより深く触れている
・アンパンマンの顔交換ができない(タヒを意味する)
以下ネタバレ注意!
目次
ドーリィ登場
ある日アンパンマンは海のパトロール中に、古くなった人形が流されているのを見つけます。
人形を拾いパン工場に持ち帰ったのでした。
その夜、アンパンマンワールドに命の星が流れ、人形にも一つの流れ星が…
なんと、命の星が人形に宿り、動けるようになっていたのです( ゚Д゚)
彼女の名前はドーリィ。
ドーリィは動けることを大いに喜び、日常の全てに感動の嵐。
学校に入学したドーリィは、皆とアンパンマンのマーチの練習をします。
“何のために生まれて 何のために生きるのか”
この歌詞に疑問を持つドーリィは、得意気に語ります。
ドーリィ「せっかく命をもらったんだもの、自分が好きなことだけして、自分の好きなことだけ考えて、毎日楽しく生きていけばいいのよ!」
言葉の通り、自由気ままにやりたい放題するドーリィは皆の迷惑をかけてるのも顧みず、好きなことをして過ごすのでした。
気持ちは分かる!せっかく生まれたら人形でも人間同様好きなことしたいだろうなあ(´・ω・`)
思うまま好きなことをしていった結果、ドーリィがどうなっていくのか…
我々人間たちにも考えさせられる奥深い映画なので、特に慎重に感想を綴っていこうと思います。
アンパンマンが人を助けるわけ
ある時、ドーリィはアンパンマンがパトロールすることに疑問を持ち、その理由を訊ねます。
ドーリィ「誰だって自分が大切でしょ。わざわざ人の事を助けたいなんて変よ」
アンパン「僕だけじゃなくて、誰にでも人を助けたいって気持ちはあると思うよ。
それに僕は最初は分からなかったんだ。でもね、困っている人を助けた時に、心が温かくなってその時分かったんだ。
僕が何のために生まれてきたのか。何をして生きていくか。何が僕の幸せかってことも」
誰にでも人を助けたい気持ちはある…確かに目の前で困っている人を見て素通りする人は少ないよね。
ついつい反射的に手を貸しているってことは誰しもあると思います。
アンパンマンは自己犠牲精神の持ち主だと言われることがあるけど、こういう思いの部分は私たち人間と何ら変わりないんじゃないかなと実感します。
“アンパンマンは君さ”とメッセージ送るくらいだもんね(´∀`*)
人を助けたい気持ちを持っている=誰だってアンパンマンになれる、ということじゃないかとこの映画を見る度に思います。
命の星の炎が小さくなるドーリィ
ドーリィ「どうしてかな…つまんない。毎日好きなことだけしてるのに…」
毎日、勝手気ままに生きてきたドーリィ。
いつしか自分の心に疑問を持ち始めます。
星祭りの準備をしていた子供たちと言い争いをしてしまい一人になったドーリィは、自分の中の命の星の炎が小さくなっていることに気づき…
ジャムおじさんによると、アンパンマンは体に命の星が溶けていて見えないのだそう。
ドーリィ「どうして私の命の星は、ちっとも体に溶け込んでくれないの。アンパンマンと私、何が違うの…」
もし命の星がなくなってしまったらと怯えるドーリィの前に現れたのはロールパンナでした。
ロール毎回登場シーンがカッコいいんだが、スタッフに根強いファンがいると見た|д゚)
ドーリィ「ロールパンナちゃんは何のために生まれたの?何をして生きるの?」
ロール「分からない」
ドーリィ「アンパンマンは困っている人を助けるために生きるって言うの。嘘だよねそんなの。ありえないよね」
ロール「嘘じゃない。…アンパンマンはそうなんだ。でも私にはできない」
ロールもけっこう目の前で困ってる人見かけたら助けてる方だと思うんだが…自発的かそうでないかの違いで否定したのかな。
メロンは無条件に必ず助けるけど!
何にせよ、ロールのアンパンに対する見解が垣間見えた貴重なシーンでした。
ここでドーリィは初めて自分が海に捨てられていたことの経緯を話します。
何かアドバイスするでもなく、じっとドーリィの話に耳を傾けるロール。
ロール登場に関して、ニャニイの時もそうだったけどこの時期は相談役に徹している気がする。
昔が戦闘シーン多めだったせいか、心情の掘り下げをしていく方向のようです。
不安に押しつぶされて
ドーリィは命の星の炎に悩みながら、余裕がなくなってしまい、とうとうパン工場を飛び出していきます。
このまま海に沈んでしまい、人形に戻ってしまうのかと放心状態のドーリィ。
海に投げ出される瞬間、アンパンマンが助けに来てくれました。
ドーリィ「アンパンマンの命の星は体に溶けてるって言うけど、ダメなの…私のはだんだん炎が小さく…なって」
アンパン「怖かったんだね」
ドーリィはアンパンマンに自分の不安を打ち明けました。
そして勝手なことをしたことを皆に謝ります。
自分の怖さを誰かに打ち明けるってとても勇気がいることだけど、心情を吐き出すことも大切なんだと改めて気づかされる…
自分の気持ち(恐怖)を認めて、素直な心を取り戻す、今のドーリィには大事な一歩でした。
アンパンマンがいなくなる!?顔交換ができない
カビだんだんで町を滅茶苦茶にするバイキンマン。
映画恒例の変身シリーズ、今回はカビるんるんでした。うーん前回の猫のが可愛いかったかな…
暴走したカビだんだんはバイキンをもふっとばし、アンパンとドーリィを襲う。
攻撃されても微動だにせずドーリィを守りきるアンパンマン。だんだん土のように固くなってしまう…
そんなアンパンマンに必死に「逃げて」と訴えるドーリィ。
しかし、振り返ったアンパンマンの笑みを最後に彼は、全身固まってしまう。
ここで新しい顔を持ってきたバタコさんですが、新しい顔は交換できず弾かれて…
なんとアンパンマンから命の星が抜けて消滅してしまったのです。
実質アンパンマンは(バイキンのメカによって)ここで倒されたわけですが、バイキンマンは全く知らないという…
アンパンマンの顔の交換ができないという非常事態に、ドーリィは、町の皆はどうなってしまうのか…
まとめ
“何のために生まれて 何のために生きるのか”
ドーリィが出した答えは、ここで書くのはもったいないのでラストまで見てくださいとしか言えない…
でも間違いなくアンパンマン歴代映画ランキング第一位に輝くほどストーリーがしっかり組み込まれていて、無駄なシーンが何一つない。素晴らしい、本当に大好きな映画。
大人から子供まで男女問わずおすすめできるお気に入り作品なので是非。
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